音楽理論って必要?

音楽理論勉強した方が良い?

長く音楽をやっていると、たまに人に教えたりする場面もあったりするのですが、その時に聞かれるのが、「音楽理論って勉強した方が良いのですか?」って質問を頂く場合があります。

正直、これってなかなか難しい質問で、「人による」が本当は私の中の正解です。まぁ勉強した方が良いなぁと思えば、すれば良いし、したくなければしなくても良いと思います。実際、プロの方でも音楽理論って全く勉強していないので知らないんだよねって言っている方も多いですよね。

つまり、音楽屋になるのに必須という訳ではないんですよ。


勉強するメリット

ただ、個人的には勉強して損をする訳ではないので、勉強するのをオススメします。

※私がいう音楽理論はクラシックではなくポピュラー音楽理論です。

コードの知識があると、アレンジをする時に、コミュニケーションがとりやすくなります。特に今は、メールやチャットなどで会話しながら作る場面というのも多いので、お互いコードの知識がると、話が早くて助かる場面があります。

例えばAメロの4小節目のコードがなんか雰囲気が違うから変えたいんだよね。みたいな会話をしている時、同じ作業場で作業していると弾きながら、こう変えます?みたいな話もできますが、メールやチャットだとその会話が難しいですよね。

結局、アレンジを作り直して、ファイルで送って、

「あぁそうそうこんな感じ」ってなれば良いですが、

「あれ?なんか違う」

となると、また何パターンも作り直しなんてことにもなりかねません。

そこで、共通言語としてコードの知識があれば、

「4小節目のGをさ、Em7に変えたいんだよね。」

「でもそれだとベースラインが変わってしまい雰囲気が変わりすぎるので、上物だけ変えてEm7/Gでどうです?」

なんて会話をしてから進められるので、大きく時間を短縮できたりもします。

それからアレンジをする身からすると、作曲者がコード譜を用意してくれるのが非常にありがたいことだったりします。

メロディだけあれば、作曲とも言えなくもないのですが、メロディの背景がどんな雰囲気にしたいのか、白なのか、オレンジなのか、黒なのか、同じキャラクターを立たせても背景が違うと違うく見えたりします。

なので、大体こんなイメージの背景をつけたいです。というラフなコードくらいはつけられるようになっていた方が良いかなと思っています。


堅苦しく考えないで!

理論なんて言うと堅苦しい感じもしますが、音楽理論を英語で言うと、(music theory)です。

つまりまぁ普通はこうするよね!?大体みんなこうするよね!?っていう程度の定石をまとめたものにすぎません。

なので、全然破っても構わないんですよ。

特にポピュラーの音楽理論の場合、時代が変わるとそれに合わせて変わってきたりします。

つまり定石なので、定石を破る人が多く、それを多くの人が使い始めれば、今度はそちらが定石になる訳です。

だから、まぁ普通はどうしているのか知っておこうくらいの認識で良いかと思います。


勉強すると表現の幅が狭くなる!?

私は音楽理論を勉強すると幅が狭くなってしまうなんてことはないと思います。

「音楽理論なんて知らないからさぁ〜そんなものに縛られたくないから〜」

なんて言っている人の楽曲を分析すると、音楽理論の初期に勉強するような、3コードプラス1くらいで構成されていたり、ダイアトニックコードだけで構成されていたり、全然外れてないどころか、基本に忠実すぎる!なんてこともあったりします。

勉強するとはセオリーを知るということですから、狙って外すこともできるようになるため表現の幅は広がります。


勉強しなくても良い人

とはいえ下記のような人は勉強しなくても良いかもしれません。

・全て一人で完結する人

先に書いたように、音楽理論はコミュニケーションの一助になります。

なので、完全に一人で作る。という人は学ばなくても良いかもしれません。

・全く新しいものを作りたい人

個人的には音楽は先人が紡いで来たものを時代の解釈や、自分の感性を足して編み直していくものなんじゃないかと考えていますが、そうではなく、完全オリジナルを作りたいのであれば、勉強する必要はないかと思います。
ただし、聞き手はそれを音楽と認識せずにノイズと認識する可能性は大です。
多くの人が自分の作るものに対するゲシュタルトを構成するまでものすごい根性がいるかと思います。

・情報を遮断できる人

今情報が溢れているため、音楽理論も多少なら聞きかじってしまうこともあるかと思います。そうすると無意識的にそこに引っ張られてその枠に収まった音楽になりがちです。音楽理論は勉強するとより自由に音楽を作る助けになるものですが、聞きかじった程度だと、逆に窮屈にするツールに見える場合があります。なので、中途半端な情報は遮断できるという人なら勉強しなくても良いのかなと。逆に多少聞きかじってしまっているなら、ちゃんと勉強することで、より自分らしい音楽を作るためのツールになることを気付かせてくれることになるかと思います。

・超絶耳が良くて、聴いたものをすぐに再現できる人

こういう人も理論なんかいらないかと思います。

ただ、多くのミュージシャンができる訳ではないので、コミュニケーションに難が起こったりと周りのミュージシャンに困惑を与える可能性はあります。


結論

やっぱり勉強した方が何かと便利だよってことです。

良い本も沢山出ていますし、各種スクールに通うのも良いでしょう。

玉石混合ではありますが、動画も沢山ありますし、ネットには情報が沢山あります。(これに関しては、知らない人は間違った情報を掴まされるリスクはあります)

とはいえ、「勉強した方が良いのか?」って思っているのなら、興味自体はあるということ。難しそうだなって思っても、その面白さに気づけば、どんどん頭に入ってくるものです。

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